3月17日『日本人のへそ』アフタートーク
登壇:辻さん、石丸さん、笹本さん、小曽根さん
はじめに司会の方(井上先生のお嬢さまでこまつ座社長の井上麻矢さんだそうです。ぴっぽっぽさん、ありがとうございました!)から、こんなにお客さまに来ていただいてありがとうございます、というようなお話がありました。
あとでトークの中からわかってくることですが、やっぱり客席がたくさんあいてしまう日もあったそうで、司会の方が本当によかったありがたいと思ってらっしゃるようで、感激気味なのが伝わってきました。それを聞いてこちらも、なんだかうれしい気持ちでした。
以下レポートですが、いつもの通り、お話の内容はニュアンスということでご了承ください~。
●『日本人のへそ』の音楽
曲をいちから作っていただきましたが~ということで、まず小曽根さんにお話がいったのですが、開口一番、
小曽根さん「あーやっと声が出せました~!」(笑)
小曽根さん、登壇直後に正面に椅子があるのに、上手のピアノの方にてくてく歩きだしてとめられて、「え?こっちじゃないの?」なんてナイスボケもしてました。ユーモアのある方ですね~
ほんとは、ピアノの吃音のシーンなんかでは特に声を出したくなってしまうのだけれど、演出家さんに「だめです!」って言われてて一切話せないのだとか。
小曽根さんはもともと海外のジャズが本業で、こういう日本の唄、浅草のお囃子やどどいつにはあまりなじみがなかったそうです。しかも、レコード時代ならあったかもしれないけれど、CDではなかなか音の資料も見つからない。
小曽根さん「実は父が昔テレビの仕事をやっていて、関西の『11P.M』という、社会貢献度の高かった番組の音楽をやってまして」
(笑)小曽根さんナイスです。お話も上手ですねー!
その、お父さんの曲がとても今回参考になったそうで、今回の作曲中何度もお礼を言いました、とのことでした。
●うまく歌っちゃいけない?
その、今回の音楽。演出家さんから、(石丸さんと笹本さんに、かな)うまく歌ってはいけないといわれていたとか?
石丸さん「うまく歌ってはいけないというか……。僕たちは(笹本さんに、ねっ、てやりながら)ミュージカルで朗々と歌うのが身に染みついてまして。
でも、今回は、『語るように歌う』ようにしてます。言葉にメロディーがついている感じで。
僕はインディアンのところだけは、わーっと歌ってますけど、そういうのを調整しながらというのが、いい勉強になってます」
笹本さん「石丸さんのおっしゃったとおり、歌いあげてしまうクセがあるのですが、今回は『言葉を伝える』のを大切にしてます」
『語るように歌う』て、サンデーの時でも聞いたような。
そういうのをあえてチャレンジで選んでいるのでしょうか?
●『日本人のへそ』に出演されるにあたって
石丸さん「もともとこまつ座さんの作品に興味があって、いつかやってみたいと思ってたんです。なので幸せです。」
辻さん(バンチョウさんと呼ばれてました。通り名のようです)も、こまつ座作品にはたくさん出ているものの、実は『日本人のへそ』は初めてだそうで。
辻さん「こまつ座作品にはいくつも出させていただいてるんですが、この『日本人のへそ』はやっぱり、井上さんの原点、井上作品のへそであるのだなと。
井上さんが、自分の作品の原点は「どんでんと笑い」だっていうのがこの作品に込められていると感じました。」
●「覚悟してください」「運命だと思ってください」
演出の栗山さんが、顔合わせのときに出演者さんに、「この作品に出ることを決めたからには、覚悟してください。これが、運命だと思ってください」というようなお話をされたそうです。
それについて、いかがですか?という質問。
小曽根さん「人間は、悲しみと苦しみは生まれ持っているけれど、笑いは人が作っていかなくてはいけない。
それをみんなで共有して、幸せのエネルギーを創っていかなくてはいけないというようなことを言われました。(井上先生に?栗山さんにかな?すみません、曖昧です)
今、とてもセンシティブな時期ですが、こうして劇場に来てくださる方がいて、その方からのエネルギーをいただいて、そこからまた私たちは笑いを生んで、幸せのエネルギーをシェアして、という時間を持てることを、とても幸せなことであり、運命だと感じています。みなさんに感謝の気持ちでいっぱいです。」
おっしゃったままが書けないのが残念なのですが、こんな感じのことをおっしゃってました。すごくすごく印象的な言葉でした。会場から大きな拍手がわきました。
へレン天津は笹本さんに、と井上ひさしさんが生前からおっしゃっていたそうで、(へぇ~!)
笹本さん「井上さんにお会いしたことがなくて、後からその話を伺ったのですが。そう言っていただけて、女優をやっていてよかったと思いました。すごく幸せです。
実は、日本人役は2回しかやったことがないんです。(石丸さんも同じような感じですよね?と同意を求めつつ。)この作品で日本人らしい日本人をやって、日本語の難しさ、美しさを改めて気づかせてもらいました。
女優として、ひとりの人間として、この作品に出られたことが運命的だなぁと感じています」
石丸さん「こういうキャラクターをやるのは初めてで。(そうでしょうとも。笑)腹巻するのも初めてです。4つあるんですけど、ミツバチみたいなのもあって。」
小曽根さん「僕、石丸さんの“とっちゃ”が好きなんですよ。最初にカニ歩きで出てくると、石丸さんだ!って思います」
司会さん「石丸さんにこういう役、笹本さんにストリッパー、ほかでは見られないですよね」
石丸さん「これでひとつ、はじけたかな、って思ってます」
うんうん。そういうチャレンジングなところ、すごく尊敬します。止まらない人だ。
石丸さんは井上先生に一度だけお会いしたそうで、ひとこと「がんばってね」って言われたのが、今では「(たくさん大変なこともあるだろうけど)がんばってね」って含むものがたくさんあったひとことだったのかなって思いますっていうようなお話をされてました。
辻さん「話をもらって、すぐにうん、と言ったんですけどね。今まで、話すのも歌うのもおどるのもいろいろやってきたけれど、こんなに駅名を続けて言うのははじめてで。
これは今でもプレッシャーなんです。駅名も覚えなきゃいけなくて、他の稽古もやらなきゃいけなくて、ちょっと計算違いしてたかなと思いました」
石丸さんすかさず「いやいや完璧ですよ!ねえ、みなさん」(ナイス合いの手!)とおっしゃったので会場からは大きな拍手が。
うんうん、よどみなく完璧です!
しろ個人は万一順番ちがってても分からないと思いますけど(←フォローになってないよ!)
あのシーンには、すごいなぁ、覚えるの大変だっただろうなぁ~って思います。
辻さん「まあ、そんな大変なこともありますけど。
こうして芝居をしてて、お客さんから笑い声が聞けると、井上作品をやってて良かったなと思います。2・3日前までは客席も空いていたけれど、今日はこんなにたくさんいらしていて。今、大変なときですけど、やっぱりこういうのが必要とされているんだな、僕たちはやらなきゃいけないんだって思います。がんばります。」
●質問コーナー「好きな井上作品は?」
これ、質問したお客さまが後方席の方だったので、マイク担当さんがマイクを届けるまでにちょっと間が。
そしたら、しこんでいたのか(!?)石丸さんたら、おもむろにあの日の丸の扇子をぱらっとひらいて、あついなーとばかりにパタパタ煽ぎ。
しっかり間をかせいで笑いをとってました(笑。すごい!)
その質問の答え。
石丸さん「うーん。これってひとつにはしぼれないんですけど。
バンチョウさんが出てらした『父と暮らせば』にはしびれました。井上先生の言葉に感動しましたね」
と、すかさず辻さん「まだキミにはやんないよ」ってしれっとおっしゃったので客席うけてました。
石丸さんは笑いながら、「はい、わかりました」ってかしこまってました(笑)
笹本さん「まずは、『日本人のへそ』。(すごい模範解答!)
お笑い以上にお笑いの番組みたいで、いつも吹き出すのをこらえてます。
あとは、石丸さんもおっしゃってた『父も暮らせば』と………あ。
じゃあ私、いつか娘になってもいいですか? 」
の言葉に辻さん態度を一転、快く「どうぞ!」
石丸さん「えー!」
って最後まで仲よく連携して笑いをとってました
交通事情もこうですので、ということで、短いですが~とここでトークショーはおしまい。(十分ですよー!むしろ、やってくださってありがとうございました)
最後に劇場内の「ドラえもん募金」のご紹介がありました。
帰りに入れている方たくさんいらっしゃいました。あったかい。
* * *
舞台を観に行くのは、しろの趣味です。言ってみれば贅沢みたいなもの。
こういうときに、って後ろめたくないと言ったらウソな気がします。
それでも観に行きたいなと思うから、さらに後ろめたいのかな。
ちがうちがう、楽しむことが悪いわけじゃないよ、とも思うけど、やっぱり客席に座りつつ、むーんと考えてしまったりしました。
でも、「笑いは作っていかなくてはいけない」「幸せのエネルギーを共有する」って言う言葉を聞いたとき、ああそうだなぁ、と。
辛いことを分かち合う(支えあう)ことが必要なのと同じように、幸せなことの循環も止めちゃいけないのでしょう。
今になってこれを言うのは、自分に甘い理屈かもしれないけれど。
小曽根さん、ありがとう。
幸せと同じだけの分、思いやりも充電して還元したいと思います。
あ!これを書いている間にweb拍手が復旧しました。やっぱり停電の影響だったみたい。
ではでは、
**For you...**
2月26日22時台、3月9日21時台メッセージを下さった方へ。↓お名前イニシャル前のをクリックお願いします♪
ぴっぽっぽさん
お返事遅くなってしまってごめんなさい
そうこうしている間に、へそ開幕しましたね。石丸さんの幅の広さにびっくりさせられっぱなしです。すごい役者さんだ!
GGRのスポット、ぴっぽっぽさん、偶然の遭遇おめでとうございます!私はまだ1回も遭遇できてないのですよ~。公式さんの動画はやっぱり音無しのようなので、いつか巡り合いたいものです
ルチルさん
お返事遅くなってしまってすみませんでした
おっしゃるとおり、「♪日本の~ボス」がしろも頭から離れないです。子どもも喜びそうなフレーズですよね。なんだか万人に通じそうなかんじです。
『Doraemon no uta』聴きました!すごいですね!別の曲みたいです。まさかドラえもんも、こんなかっこよく演奏されるとは思わなかったことでしょう(笑)
ジャズってすごいなぁ。トークショーでジャズのお話も出たので、よかったらこちら、ご紹介させていただいても良いでしょうか?
ほんとうに、この作品から伝わって来る生命力はすごいです。日本人て、こんな濃い人たちだったんだと思ってしまいます(←日本人のくせに。笑)
いろいろな濃さがありますが、とにかく、「すっごくしたたか」(良い意味で)だなぁと。
そのしたたかさをこれでもか!くらいにパワフルに体現する役者さん方に、力強いパワーをもらえます。
千穐楽まで、心から応援してます
[3.19追記]
辻さんの呼び名「バンチョウさん」は、お名前萬長さんの読み方を変えたものだとルチルさんに教えていただきました!ありがとうございました~!
「番長さん」??(「座長」とかと似た類なのかしら―)って脳内変換されてました(笑)
